天がニ物を与えた男

クラウス・フォアマンをご存知だろうか?
俺は、ほとんど知らなかったのだが昨夜BSで放送された「サイドマン ~ビートルズに愛された男」で前編、後編にわたってその生い立ちから現在に至るまでの活躍を紹介された。

クラウスは、 1938年4月29日 ドイツのベルリン生まれ。
豊かな家庭で両親ともピアノを弾いており小さい頃から音楽や美術を十分学べる環境で育ち、才能を開花させていく。
音楽はクラッシックから始まりロックにまで幅を広げて活動していたのだが、当時の彼には音楽に対してそれほど自信がなかったようだ。
やがて成人となり仕事としての選択を迫られクラウスは、美術を選んだ。

当時付き合ってた恋人を通じてクラウスは、ビートルズのメンバーと知り合うこととなる。ビートルズのメンバーが西ドイツのハンブルクに巡業していた頃のことだ。
当時、まだ無一文のビートルズが演奏するクラブに集まる観客は、所謂不良達、リーゼントに皮ジャンスタイルのような人種だったがクラウスたちは、そんな観客とは異質のファッションで毎日、クラブに通いやがてメンバーたちと親しくなっていく。
ビートルズのメンバー達は、不良ファッションが嫌いだったらしくクラウスたちのファッションに惹かれた。後にあのマッシュルームカット等のファッションは、クラウスたちの影響が大きかったそうだ。

クラウスは、非常に才能があったが控えめなところがメンバーに好感を持たれたのだろう、それぞれのメンバーとの交流が深く、その後の音楽経歴をたどれば凄いの一言だ!!

そんなクラウスが最初に注目されたのがこの作品!
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1966年発表のビートルズリボルバー』と1967年発表の『ザ・ビージーズ1st』のジャケット・デザインを手がけた。
特に『リボルバー』は、当時のサイケデリックの流れに乗って注目を集めた。

またミュージシャンとしては、1966年クリーム結成のために脱退するジャック・ブルースの後を受け1969年夏の解散までマンフレッド・マンのベーシストとして活動。


当時ヒットした曲「Mighty Quinn」



その後ジョンに脅かされるかのようにのプラスティック・オノ・バンドに参加し、ジョージ・ハリスンリンゴ・スターらのソロ・レコーディングにも参加する。また、コンサートではジョージ・ハリスンラヴィ・シャンカール主宰の「バングラデシュ・コンサート」にも参加する。

またレコーディングではジョージの不滅の名作「All Things Must Pass」やリンゴのソロアルバムにもベーシストとして参加。そしてジョンの名曲「イマジン」誕生時にも立ち会うなどビートルズのメンバーとの音楽面での関わりがかなり深い。
この70年代前半には本人が自覚する前からすでにかなりのベーシストとしてのキャリア、名声を得ていたのだった。

そしてビートルズ以外にもいろんなアーティストとの作品にも参加している。

そんな中、俺が一番興味深かったのがカーリーサイモンの1972年のNO1ヒットの「うつろな愛 (You're So Vain) 」にもベーシストしてし参加していたことだ。
この番組では、現在のカーリーサイモンの自宅にクラウスが訪れて、即興でアンプラグドでこの曲を歌ってくれた。
何が凄いってあの前奏のベース!!!
このベースラインがこの名曲を生んだと言っても過言でないそうだ。
この曲を知ってる人ならすぐピンと来るはず!!


この曲には、バックコーラスでミックジャガー、ポール&リンダ夫妻等超大物アーティストが参加してたことでも有名だったが、その頃のエピソードをカーリーとクラウスが語ってくれたのも興味深かった。

それにしてもカーリーサイモンもすっかりお婆ちゃんになっちゃったね(苦笑)

クラウスも現在70歳だがとてもカッコいい!
元々が今で言うイケメンだったし、尚且つ才能があるのだからクセのあるアーティストの中では異質な存在ではあったのだろうが彼の控えめで温厚な性格が誰からも信頼されたのだろう。
ジョージハリソンは、最後まで彼と共に過ごしていたようだし、ジョンもしかり、ポールもリンゴも現在でも親交がある。

ビートルズという巨大モンスターの影で如何なくなく才能を開花させてたクラウス。この番組は、非常に興味深く、楽しめた。

クラウス・フォアマン!凄いアーティストだ!!!